中国新聞地域ニュース
イコモス、鞆架橋計画放棄求める '05/10/25

 「世界遺産」候補地の調査に当たる国際記念物遺跡会議(イコモス)は二十四日、中国・西安市で開催された総会で、福山市鞆町の鞆港埋め立て・架橋計画について、国、広島県、市に同計画の放棄を求める決議を採択したと発表した。

 決議文は、鞆町が「歴史的な港湾都市として特別に重要な価値を持つ」と指摘し、住民団体による古い建物などの修復活動を評価。その上で、県と市が進める同計画を「鞆の浦に不可欠な価値を破壊するもので、実施するべきではない」と強く非難した。

 総会は十七―二十一日、中国・西安市で開かれ、世界約八十五カ国から研究者ら約千人が集まった。国内組織である日本イコモス国内委員会(東京都渋谷区)の鞆をめぐる現状報告などが、決議採択につながった。

 イコモスは、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関で国ごとに小委員会を組織。日本イコモス国内委員会のメンバーらは、朝鮮通信使の寄港地だった鞆町を度々、訪問している。