鞆地区道路港湾整備計画の推移


年 月 県・市の行動 推進派・反対派の行動
1983年10月 県が、福山港地方港湾審議会の答申を受け、鞆港湾計画を策定
埋立面積は4.6ヘクタール
   
12月 中央港湾審議会で福山港湾計画に鞆港整備を盛り込む    
1984年 4月 県は港湾事業の調査設計に着手    
1985年 4月 県は鞆の浦魚協と漁業補償の交渉開始     
1987年12月 知事が県議会で、63年度予算化見送りを表明
(漁協反対のため計画中断)
   
1989年10月 県福山港港湾計画の見直し開し    
1990年 4月     推進派 鞆町内会連絡協議会、鞆鉄鋼連合、医師会、女性会等からなる鞆港整備ならびに県道建設期成同盟会結成
9月    推進派 鞆町内会連絡協議会が市長に道路早期整備を陳情
1992年 2月 県の鞆地区道路港湾計画検討委員会第1回委員会開く
埋立、橋梁案提案
(意見)
@鞆の活性化を考え賛成
A景観破壊され反対
B歴史的景観に添う計画を
の三意見に分かれる
     
     5月 第2回委員会 山側トンネル案、沈埋トンネル案提案
(意見)
@鞆地区にメリットなし
A埋立を最小限にし景観に配慮
B埋立、橋梁案の景観への影響をコンピューターグラフィック等で評価するの意見
     
12月    反対派 鞆を愛する会がトンネル案を知事・市長に提言
1993年2月 第3回委員会 第1回目の案の埋立面積を縮小し歴史的景観と調和した案を提案
(意見)
@埋立と橋梁案で整理を図る
A最小限の埋立をする
B歴史的景観と調和した景観設計を行う
推進派 期成同盟会 8,178名の署名を集め、知事宛計画の早期実現要望書提出  
10月    反対派 歴史的港湾鞆港を保存する会が学者や文化人ら約500人分の署名を添えて国、県、市に反対声明書を提出
3住民グループが6821人分の計画反対署名を福山市に提出
1994年2月 鞆の浦漁協が計画同意    
6月   推進派 賛成・反対派で第1回住民集会開催
7月 県、計画案の内容について地元説明会を開く    
10月   推進派 三町内会が町民運動会をボイコット
賛成派、第2回住民集会欠席
12月   推進派 明日の鞆を考える会発足
12月   反対派 芸備地方史研究会(会長・渡辺則友広島修道大学教授) 県,市あて計画の白紙撤回を求める意見書提出
1995年1月 県、推進・反対両派16人の意見聴取    
3月 知事、予算委員会で、福山港地方港湾審議会を開いて計画の変更を諮問すると答弁    
4月 福山港地方港湾審議会は、当初計画の
@埋立は1/2の面積(2.3ヘクタール)
A架橋は175メートルとする案
を承認するとともに、景観の検討をするために、鞆地区道路港湾景観検討委員会を設置することにし、市には本計画と鞆地区のまちづくりとの整合を保つため、同地区のマスタープランの策定を依頼することにした
   
4月   推進派 明日の鞆を考える会結成大会開く
県の変更案を推進する旨決議
8月   推進派 同会(自然環境部会)中間報告
県の計画は、町並み保存と開発の両面から町づくりに役立つとし、市が作成するマスタープランへの要望事項を取りまとめる
1996年1月 県鞆地区道路港湾景観検討委員会が初会合
鞆地区の現状を把握して、景観の方針を決定する
   
3月 市鞆地区まちづくりマスタープラン策定
歴史文化と地域生活が調和共生することとし、ベイエリア(鞆港)については、新たな土地の創出と橋梁の創作における景観の形成、焚場などの保存、海上交通拠点、駐車場等の整備を図る
   
6月 第2回委員会 港湾景観の検討    
1997年3月 第3回委員会 橋梁設計条件等検討    
11月 鞆港で調査していた県教委、県土木建築事務所は人工的石敷を発見    
1998年3月 第4回委員会
全体コンセプトを「迎賓都市」とする、
橋梁、埋立地のデザイン決定
   
3月   反対派 中国新聞社説 計画反対
理由
@計画案は鞆の景観に大きな変化を加える
A後背地の町並み保存計画と矛盾する
B市のマスタープランづくり委員会等委員会のメンバーが推進論者か利害関係者で占められ、公平な審議がされていない
4月   反対派 芸備地方史研究会(会長・渡辺則友広島修道大学教授)は県のデザイン案の白紙撤回の要望書を知事に提出
5月 県教委が鞆港の石敷きは「江戸時代の焚場である可能性が極めて高い」と発表    
1999年2月 県知事が鞆町内会連絡協議会や福山市長に対し、焚場の大部分を保存するための埋立面積縮小案(2ヘクタール)を示す    
6月 県が地元説明会で焚場保存のための埋立縮小案を提示    
12月 県は鞆町内会連絡協議会、明日の鞆を考える会、漁協、鞆鉄鋼協同組合連合会の4団体に6月に示した案の一部修正案を説明    
2000年1月     反対派 地元4住民団体が知事ら4者に港湾計画変更の諮問の中止を求める【要望書】を提出
(鞆を愛する会、歴史的港湾「鞆港」を保存する会、鞆の自然と環境を守る会、鞆の浦海の子)
2月 県福山港地方港湾審議会で縮小案を承認(埋立面積は2ヘクタール)    
2月   反対派 地元4住民団体は、県福山港地方港湾審議会が承認した、計画案の事業化に反対する【要望書】を、県知事ら4者に提出



参考文献


 
 

期成同盟会が知事宛に集めた署名のお願い文

参考文献「賛同願い」
鞆地区道路港湾計画賛同へのお願い

 福山市を訪れた人が、観光の目玉として第一に目をつけるのは我が鞆町であります。風光明媚しかも千数百年の歴史に彩られ、幾多のロマンに満ちた古い港町、鞆の浦。
 私たちが世に誇るこの鞆の浦の現状は如何でしょう。年とともに過疎の波に洗われ、活性化を失いつつあるのではないでしょうか。そこには早急に解決しなければならない多くの問題が横たわっています。
 その第一は何と言っても道路と港湾の問題です。昨年2月、地元住民の声を反映し、県は「鞆地区道路港湾計画検討委員会」を設置し、焦眉の急を告げているこの問題の解決を検討中であります。この計画は、港湾の一部を埋め立て、架橋により港の両端を結ぶという方法であります。
 この案に対し、一部の人からは「鞆港を埋め立てるとか、港に橋を架けるとかは全くの暴挙である。断じて許すことはできない」との声が聞かれます。この声は私どもと同様鞆を愛し、鞆の風致をあくまでも守ろうとする貴重な声です。然し鞆港を埋め立てるにしても、港の北端、必要最小限のほんの一部を埋め立てるのみ、架橋にしても、鞆港の風致を損じない、むしろ風景にマッチしたものをとの考えです。
 町民の皆さん、どうかこの検討委員会の案に御賛同下さって御署名下さい。

鞆港整備並びに県道建設期成同盟
  会長 藤 井 紫 郎
鞆町内会連絡協議会
  会長 萩 原 計男
鞆鉄鋼協同組合連合会 
  理事長 村 上 達 夫
鞆医師会
  代表 徳永 学
鞆町各町内会会長一同
 

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鞆地区道路・港湾計画の福山港地方港湾審議会への
諮問を、即時中止することを求める要望書

諮問を即時中止の要望書
鞆地区道路・港湾計画の福山港地方港湾審議会への
          諮問を、即時中止することを求める要望書
 

 私たちは、現在進められている鞆の浦埋め立て・架橋計画が、世界遺産にも相当する歴史的港湾と一体となった、町並み及び鞆の風土、生活環境を破壊し、鞆の浦の将来に大きな禍根を残すものであると考え、かねてより反対の意思を明らかにしてまいり、代替案を提示してきました。そして、このような事業には必ず十分な納得と地元合意がなさなければなりません。そのためにも、私たち保存派の意見にも十分に耳を傾けていただけると思っておりました。
 しかしながら、先日の新聞報道(「中国新聞」1月27日)にもありましたように、このたび県は、地元の「理解を得た」として、2月4日に福山港地方港湾審議会へ諮問することを決定されました。私たちは、計画に合意をいたしておりません。何故このような決定がなされたのか理解に苦しむところであり、到底容認することはできません。
 とりわけ、賛成派の市民団体等に対する個別の再説明を以て地元説明を終えたとされているのは、反対派住民が意図的に除外・されたことを意味しています。これは、著しく公平性を欠く手法であり、信じがたい暴挙であると言わざるをえません。
 そのため、私たちは次の事を強く要望いたします。

∴今回決定された福山港地方港湾審議会への諮問を、即時中止すること。

2000年1月31日

広島県知事  藤田雄山 殿


鞆を愛する会
  代表幹事 大井幹雄
歴史的港湾「鞆港」を保存する会
  代表 森田龍児
鞆の自然と環境を守る会
  代表 鈴木辰夫
鞆の浦海の子
  代表 松居秀子
       

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