国の重要伝統的建造物群(重伝建)保存地区の選定

 福山市は鞆地区の古い町並みを保存する条例を、新年度に制定する予定です。重伝建保存地区の選定に向けて、建物保存と景観維持などの環境整備を促進するためです。
 鞆町の町並みを対象に行った調査で、三浦正幸広島大文学部教授(文化財学)は「鞆は中世以来の港と都市が現存する国内でも唯一の地域。保存することは大変価値がある」と強調しています。
 報告書によれば、地域の1401棟の建物のうち、江戸時代から戦前までの建造物は、474棟で、江戸時代の建物は80棟に上っています。141棟の内部を詳しく調査したところ、全体の半数が間口が二間(3.6メートル)前後の狭い家で、三浦教授は「間口の狭い都市型の住居が密集しており、中世以降に鞆の浦が大繁栄していたあかしと説明。「家の合併や分割の跡が残る南部は日本で有数の大都会、大邸宅が多い北部は高級住宅地」と南北の地域差を紹介しながら、貴重な町並みの積極的な保存の必要性を指摘しています。
 重伝建保存地区に向けての取り組みはいいのですが、港と町並みの保全、保存は一体であるべきです。歴史の港を埋め立て、その港湾によって形成された街並みを保存しようという試みは、明らか矛盾しています。にもかかわらず、埋め立て架橋の代替案は真剣に検討されていません。


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